最近、讃岐の夢2000(以下、夢2000)を100%使った「手延べうどん」のはずの物にASW(Australian Standard White)を入れて作って売ったというニュースが色々なところで話題になっている。原料表示を偽った業者は悪いと思う。しかし、夢2000を普及させようと焦った行政(県・JA)などにも問題があると思う。まあ行政がそれを認める事は無いだろうが。
讃岐うどんを良く知っている人たちの間ではASWの粉の方が夢2000を使った粉よりうまいと言う事が常識となっているが一般的には農産物は外国産より国産のほうが美味しいと思う傾向があるので普通の人は牛肉問題と一緒で高級な「日本産小麦」に質が劣り安い「外国産小麦」を混ぜて売ったと思っているだろう。
「麦芽糖」と言うものをご存知だろうか?麦芽がもつ酵素(アミラーゼ・ジアスターゼ)がでんぷんを分解して作る糖の事であるが、麦が実った頃に雨が降って濡れると酵素が働きでんぷんを麦芽糖にしてしまうのだ。
うどんのうまさである心地よい弾力は、でんぷんによる事が多く、これが分解されて麦芽糖になった場合その小麦はうどんにしてもあまり弾力がなく切れやすいうどんになってしまう。
ところで日本では小麦は米の裏作であるため収穫期である5〜6月頃は梅雨で雨が非常に多く、収穫前に雨にあってしまう確率が大変多い。実際今年の夢2000も収穫前に少なくとも3回は雨にあっていて、これは例年より多いそうだ。なので今年の夢2000は例年に増してうどんを作りにくい物になっている。
結果、夢2000は良い品種ではあるが雨の多い時期に収穫する関係で大変なハンデをおっている。実際、日本の小麦粉でASWにも負けない状態の物を収穫できるところは梅雨の無い北海道だけだともいえる。
またASWは単一品種ではなく複数品種の小麦を毎年一定の品質になるようにブレンドした物なので安定した品質の小麦を毎年供給できるが夢2000は単一品種で産地も香川県だけなので年によって品質にばらつきも出やすい。
これらを考えてもASWを夢2000に置き換えられるとでも思っているかのような行政のプレゼンテーションは無理があり現実的ではないと思う。
※じゃあどうすればよいのと言われても困るが(笑)
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